法律の定める「離婚原因」というものがないと離婚できないと聞いたのですが本当でしょうか

離婚をする場合は基本的に夫婦で合意すれば成立し、離婚理由に制限はありません。 これを協議離婚といいます(民法763条)。

しかし、夫婦どちらかが離婚に反対した場合は、最終的には訴訟を起こし、裁判所に離婚となっても仕方がないと判断されないと離婚ができません。その場合には離婚原因が必要になります。


夫が不倫した!離婚できますか?

夫婦の合意がまとまれば離婚は可能です。
夫婦の合意がまとまらなければ離婚調停や離婚訴訟を提起しなければなりません。

法律の考え方は、一旦形成された婚姻関係は可能な限り維持されるべきというものです。ですので、裁判上の手続きを行う場合でも、まずは第三者をいれて話し合いを行う離婚調停を行わなければなりません。

そして離婚調停が成立しない場合に、初めて離婚訴訟を提起することができるという仕組みになっています。

離婚訴訟を提起するに際しては夫婦の一方に法律の規定する離婚原因が存在しなければなりません。民法770条には下記の規定があります。これらのいずれかに該当しない限り離婚原因があるとは認められません。

1.配偶者に不貞な行為(不貞行為)があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
不倫は「不貞行為」に該当しますから、離婚原因がありますので、離婚は可能です。


夫の携帯を見ることは許されますか?

夫婦といってもお互いに知られたくない部分もあるものです。ですので、夫の携帯を勝手にみた場合には、プライバシー権の侵害に該当する可能性があります。

夫が蒸発したのですが離婚できますか?

「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」(同法770条1項3号)やそれに相当する状況(同法770条1項5号)があれば離婚できます。

夫の拘束が激しくて外出できません。離婚できますか?

夫の拘束が「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当すれば離婚できます。ご主人があなたを束縛する理由、程度、これまでの経緯、これまでの婚姻生活の状況等、さまざまな事情から該当するかどうかを判断する必要があります。

妻が万引きしました。離婚できますか?

「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当すれば離婚できます。奥様がそのような行為に及んでしまった原因、回数、その行為が周囲に知られたか否か、あなたの被った迷惑、これまでの婚姻生活の状況等、さまざまな事情から該当するかどうかを判断する必要があります。

夫が転勤を命じられました。海外です。離婚できますか?

「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当するかという問題ですが、この理由だけだと離婚は難しいように思われます。最終的にはその他の状況を加味して判断されることになります。

夫が怪しげな商売を始めてしまいました。離婚できますか?

「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当すれば離婚できます。ご主人が行っている商売の具体的内容、その商売によるトラブルの有無、婚姻生活に及ぼしている影響、これまでの婚姻生活の状況等、さまざまな事情から該当するかどうかを判断する必要があります。

 

夫が、毎晩、騒音のようなボリュームでロックを聴いています。私はクラシックが好きです。野蛮な音楽にはもう耐えられません。離婚できますか?

「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当するといえれば離婚できます。あなたとご主人の間の話し合いの状況、近隣に与える迷惑の程度、婚姻生活に及ぼしている影響、これまでの婚姻生活の状況等、さまざまな事情から該当するかどうかを判断する必要があります(個人的にはロックにも理解を示して頂きたいと思います)。